普段使いとゲーム専用、プライベートと仕事用など、複数台のスマホの使い分けが必要なことってありますよね。
海外出張でSIMを切り替えて使いたいということもあるでしょう。
こうしたときに便利なのが、「デュアルSIM」です。
デュアルSIMスマホとは、1つのスマホに2枚のSIMカードを挿し込み、2つの電話番号やデータ通信プランを使い分けられる便利なスマホです。
ですが、「2つSIMを入れるスマホって、なんだか設定や使い方が複雑そう」と感じていている方も多いのではないでしょうか。
また、異なる通信プランを利用したい方や、いままでスマホを2台持ちしていた方はぜひ参考にしてみてください。
デュアルSIMとは?

デュアルSIMスマホとは、「デュアル/dual(二重の)」の名前の通り、1台のスマホに2枚のSIMカードを挿入して、通信の使い分けができる機能です。
通常、1枚のSIMカードには「電話番号」「契約者情報」「契約プラン」といった情報が紐付けられていて、SIMカードをスマホに挿し込むことで通信や通話が可能になります。
つまり、1台のスマホに2つの電話番号やデータ通信プランを紐付けられます。また、電話の着信であれば、どちらの電話番号にかかってきたのかはわかりますし、使いたい通信サービスをそのつど選んで利用できます。
さらに、異なる携帯電話会社のSIMを同時に使用できるため、たとえば片方は通話に、片方はデータ通信にそれぞれ特化した料金プランを利用することで、ひとつのSIMよりも幅広いサービスの選択が可能となります。

例えば、主回線に楽天モバイルのeSIM、サブ回線にLINEMOのSIMカードを使うなどです。組み合わせプランは多種多様!
SIMカードとeSIMについて
SIMには2種類の形態があり、端末に差し込んで使用するICカード(SIMカード)と、端末内部に組み込まれているeSIMがあります。デュアルSIMに対応しているスマホを使い、次の3パターンで通信サービスの使い分けが可能になります。
- SIMカードを2枚差し込むもの
- eSIMとSIMカードを併用するもの
- eSIMを2つ併用するもの
スマホで使用しているSIMには、microSIM、nanoSIMなどの小さいカード状のもののほか、スマホの端末内部にチップとして埋め込まれているeSIMがあります。
SIMカードはスマホのスロットに差し込んで使用しますが、eSIMは端末に組み込まれているため、設定で接続先の情報を指定することで電話やデータ通信が可能になります。
デュアルSIMの種類
デュアルSIMには、スマホが2つのSIMをどのように認識するかによって、以下の4つの種類(方式)があります。
- DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)
2枚あるSIMのうち、有効にしている回線の電話番号利用と通信が可能。もう1つのSIMを使う場合は手動で切り替え。同時に主回線と副回線を利用できない。4G利用。 - DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)
2枚のSIM両方で待ち受けができ、2つのSIMを自動で切り替え可能。2回線を同時に通話や通信は不可。片方は4Gでもう片方は3Gの利用になる。 - DSDV(デュアルSIMデュアルVo LTE)
機能はDSDSと同じで、2枚のSIM両方で待ち受けができ、2つのSIMを自動に切り替え可能。2回線を同時に通話や通信することは不可。さらにDSDVでは、主回線と副回線の両方のSIMで4Gが使える。 - DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)
機能はDSDVと同じで、2枚のSIM両方で待ち受けができ、2つのSIMを自動に切り替え可能。主回線と副回線の両方のSIMで4Gが使える。さらにDSDAでは、2つのSIMで同時に通話が可能。

au系の3Gに対応しているSIMフリースマホはかなり少なく、限定されます。そのため、au系でデュアルSIMを利用したい場合はDSDSではなく、2つとも4Gが利用できるDSDVのスマホをおすすめします。
▼比較しやすいように表にまとめました。
SIMの切り替え | 回線利用 | 通話同時待ち受け | 通話中のデータ通信 | |
DSSS | 手動切り替え | 片方のSIMのみ | × | × |
DSDS | 自動 | 4G/3G | ○ | × |
DSDV | 自動 | 両方4Gで利用可能 | ○ | × |
DSDA | 自動 | 両方4Gで利用可能 | ○ | ○ |
お使いの端末やこれから購入する端末がどのSIM方式に適用しているかは、各機種のスペック一覧から確認することができます。
デュアルSIMのメリット
デュアルSIMにすることによって、どんなメリットがうまれるのか疑問になりますよね。そこで、デュアルSIMの使い方をご紹介します。さて、デュアルSIMを使うことによって、どんなメリットがあるのかをみていきましょう。
- スマホ1台で2つの電話番号を使える
- 仕事とプライベートで使い分け
- SIMをそれぞれ別に契約して料金を抑えられる
- 通信障害時に安心
- 海外旅行時に現地のSIMカードを使える
スマホ1台で2つの電話番号を使える
電話番号を2つ利用する場合には通常2台契約する必要がありますが、維持費がかかってしまうだけでなく利便性も悪いですよね。
また、電話番号が2つあれば、携帯電話会社の電話番号でしか登録ができないSNSアプリのアカウントを2つ取得して使い分けることもできます。
仕事とプライベートで使い分け
仕事とプライベートでスマホを2台持ちしている人も少なくありませんね。
仕事用スマホが会社支給の場合はしかたないですが、個人で使い分けている場合は、デュアルSIMにすることで、2つの電話番号を使えて持ち歩くスマホは1台で済ますことができます。
デュアルSIMなら、鳴っているスマホを探すのに慌てたり、どちらかを忘れたりすることもなくなるので、変なストレスからも解放されますよね。
SIMをそれぞれ別に契約して料金を抑えられる
自分の都合に合わせて各SIMカードの料金プランがカスタマイズ可能です。例えば、通話料無料プランとデータ通信量が多いプランを別々に契約することは一般的な方法です。
携帯電話各社の無料通話プランと無制限のデータ通信プランの組み合わせを、異なる携帯電話会社で契約して利用することによりスマホ料金を節約することが可能です。
通信障害時に安心
キャリアの違うSIMカードを組み合わせることで、「通信障害に強くなる」という側面もあります。
デュアルSIMの場合、利用しているどちらかの回線で通信障害が発生しても、別の携帯電話会社の回線ではつながる場合がほとんどなので、別々の携帯電話会社の回線に契約していれば、SIMカードを切り替えることで万一、通信障害が発生しても通話や通信ができるので安心です。
海外旅行時に現地のSIMカードを使える
デュアルSIMは、海外旅行でも重宝します。海外でネットを使う場合は、現地のSIMカードを使うほうがお得になることもあります。また、国際ローミングはプランによって制限があったり、国や使い方によって使用料金が高額になる事もあり、使い勝手がいいとは言えません。
デュアルSIMなら、日本の回線を残しながら海外のSIMカードも利用できるため、WiFiをレンタルする必要がなくなります。
デュアルSIMのデメリット
1台で2回線を使える便利なデュアルSIMですが、利用するにあたってはデメリットも理解しておかなくてはなりません。
- バッテリーの消費が早い
- microSDカードが使えなくなる可能性がある
- スマホと回線の組み合わせによっては利用不可
バッテリーの消費が早い
デュアルSIMスマホは1台のスマホに2台分の役割を持たせることになるので、2台持ちより電池の消費が早くなります。特に多くのAndroid OSには、通信が切断された時に最寄りの通信局に接続を試みる「セルスタンバイ」という機能が付いています。
このセルスタンバイ状態にあると、スマホを使っていない時でも電波を探し続けるため、バッテリー消費が早まってしまうのです。
microSDカードが利用できなくなり、データの保存容量が少なくなる
スマホの種類にもよりますが、多くのデュアルSIM対応のスマホでは、1つのスロットはSIMカード専用、もう1つはSIMカードとSDカードが兼用になっていることがあります。そのため、デュアルSIMにするために両方のスロットにSIMカードをさし込むと、SDカードが使えなくなります。
microSDを使わない人は気になりませんが、もし、データ容量を増やすためにmicroSDを使うのであれば、デュアルSIM対応スマホであり、かつmicroSDカードを使える端末もありますので、スマホを選ぶ際には確認しておきましょう。
スマホと回線の組み合わせによっては利用不可
デュアルSIMのスマホに限らず、SIMフリーのスマホ(携帯電話会社が他社のSIMカードを使えないようロックした設定を解除したスマホのこと)全般にいえることですが、契約するキャリアの組み合わせによっては、デュアルSIMが使えない場合があります。通信キャリアが提供する周波数帯はそれぞれ決まっており、同様にスマホ側も対応できる周波数帯が決まっているためです。
そのスマホ端末の対応可能な周波数帯と、キャリアが提供する周波数帯が一致しなければ、電波がつながらない可能性があります。事前にスマホ端末と契約するキャリア、それぞれの周波数帯を確認しておきましょう。
デュアルSIMの設定方法
それでは、実際にデュアルSIMの設定方法を解説していきましょう。
SIMカード2枚
SIMカードトレイの小さな穴にクリップ(ピン)の先端や取り出しツールを差し込み、トレイを引き出します。
2枚のSIMカードをトレイの両面に装着します。
SIMカードが2枚装着されていることを確認し、挿し込みます。
APNの設定は、自動接続で設定されます。
eSIM+SIMカード
携帯電話会社のeSIMを申し込み、QRコードを受け取ります。
QRコードをスキャンするカメラを開き、eSIMのQRコードを読み取ります。
「アクティベーションのため、モバイル通信プランが検出されました」という通知が表示されるので、「通知」をタップ>「モバイル通信プランの追加」をタップ>携帯電話会社から支給された確認コードの番号を入力します。
APNの設定をするモバイル通信の画面を開き、「副回線」をオンにします。
続いて「音声通話とデータ」をタップし、「LTE, VoLTEオン」を選択します。
最後に「モバイルデータ通信ネットワーク」を選択し、「インターネット共有」の「APN」入力エリアにAPNを入力します。
最後に
デュアルSIMとはどのような機能なのか、メリットやデメリットについてまとめて紹介しました。通信障害や大規模災害があった時には副回線があるのとないのとでは、安心感が違いますよね。
また、少しでも通信費を安くしたいという方や、スマホの2台持ちは不便だし、スマホ1台分の機種代が節約できるのであれば1つにまとめたいという方は、デュアルSIMを上手に活用して快適な生活を送れるようにしましょう。
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